「Dance Wing(ダンスウィング)」2009/01/01発売号  ●巻頭カラー12ページ大特集 HEAVENLY DRESSES 「至福のドレス」 監修・解説/カオリ 大路渥子さん (ドレス解説本文より抜粋⇒) 《本誌前号のロンドンインター特集でミルコが母の死を悼んで喪章を付けて踊ったという記事を読み、いろいろなことを考えさせられました。死を悼む、そのことに対して日本人はもともと繊細な表現力を持っていたと思う。悼む心を表すという意味においてです。ところが、ダンスに関しては、大切な人の「死」であるとか、または「生きる歓び」であるとかの個人的な事柄は表に出すまい、としてきたのではないでしょうか。ダンスとは別のことにしておこう、と。しかし、「死」が人生に不可避のものである以上、ミルコがしたような、母の死を悼む心を喪章という形にあらわし踊るのもとても自然なことだと思うのです。ミルコの喪章、そこには日本人が忘れかけているもの、何かそういうものがあるような気がしてなりません。 そしてミルコの喪章と釣り合いをとるかのような、素晴らしいアレッシアの涙色のドレス。もちろんアレッシアはミルコが喪章を付けて踊ることを知っていて、このドレスを選んだのでしょうが、さわやかで、美しくて、上品で、色彩がみごと。涙色といいましたが、私はこの色を母の死の時に見ました。仕事の都合をつけやっとの思いで母のもとへ駆けつけたとき、それまでずっと閉じたままだった母の目がひらいて、目にはいっぱいの涙。待っていてくれたんですね。今回のアレッシアのドレスの色は、そのときの母の涙、透きとおった涙の色そのもの。裾がひらいたときの色はまさに、やさしい涙色に見えます。 2週間前に亡くなった母への思いを込めて喪章を付けて踊ったミルコ、そのミルコの心を思いやりファイナルでは涙色のドレスを身にまとったアレッシア。死を悼み、それをダンサーとして表した二人のハートの深さに、ベストドレッサー賞!》 《シャンブレー chambray 色の異なる2種類の糸を使って織った「シャンブレー」素材は、角度によって見え方が違ってきますので、独特の視覚効果が得られます。2008ブラックプール、そしてロンドンインターでも、「光る感覚」を取り入れているドレス(石で光らせるのではなく、素材でキラキラさせるところがポイント)が多くなっていましたが、このシャンブレーは今後ますます注目されていくことと思います。》 《ワイン系 wine アパレルのほうでは2008年の春くらいにワインカラーが流行りそうな傾向が見られたのですが、ブームとまでは行きませんでした。もし流行するとしたら、2009年春あたりではないかと思います(ワインは秋の色と思われがちですが、出やすいのは春です)。つい最近お会いした化粧品業界の方の話では、次に来る口紅の新色としてワイン系を売り出し中とのことでした。》 《素材の生かし方がグッド! imaginative arrangement どこかが特に新しいとか、変わったことをしているというわけではないのですが、惹きつけられる一着です。気品が感じられるんです。このドレスは、いらないものは極力そぎ落として、いるものだけで作られているように思います。何もかもを豪華にするんじゃなくて、必要なところだけにポイントをおいて豪華にしているイメージでしょうか。だから、上品さが出てくるんですね。》
●好評連載 グッドレッスン第46回……オールカラー13ページ 連続写真で見る 「アルナス・ビゾカス&カチューシャ・デミドヴァのラインフィガー」 Arunas Bizokas & Katusha Demidova present you…… Line Figure Combination of WALTZ
コンビネーション構成
・男子左足体重/女子右足体重から
・スローアウェー・オーバースウェー……カウント1.2.3
・スイベル・ツー・デベロペ(女子左足のキックアクション)……カウント1.2.3
・スイベル……カウント1 & 2.3
・セイム・フット・ランジ ……男子のカウント1.2.3 ……女子のカウント1 & 2.3
・ウイーブ……カウント1.2.3
(レッスン記事より抜粋⇒)なぜ彼女の踊りはきれいなのか? 《カチューシャの素晴らしいフォローのことからお話してまいりましょう。思わず見とれてしまうほどステキなのは、カウント3の時に「足が抜けていく」所。写真7で女子の右足に体重が乗りきりますね。彼女の左足が後方にスッと伸びていきます。その過程が写真8~11位までに見てとれますが、頭の動きに注目してください。「足が抜けていった」後で、頭が後方へと向かっているのが分かると思います。足が抜けていくのが先で、そのあとで、ボディと顔をつけていく。これがスローアウェー・オーバースウェーを美しく見せる最大の秘訣です。ためしに、頭と足が同時に動いちゃってるスローアウェー・オーバースウェーを想像してみてください。カッコ悪いですよー。 また、ボディコンタクトも見事です。どの場面においても女子のセンターが常に「男子の方に向かっている」。特に写真11では、前にある右足は外向きに保ち、センターは男子の方へ向け続けている。下半身が「絞られている」姿勢をとっているのですが、この絞られた状態だからこそ女子は「立てる」。もし前にある右足が内向きになったり、センターが男子の中心から外れた方向へ向いていたりすると、男女ともがバランスを崩すことになってしまうんです。》
ダンス人間模様第46回 「美の観点から、心を癒したい」 株式会社RUSH代表 柴田誠子さん
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